毎日が涙腺崩壊寸前

高学歴、高収入、低身長な男の転落劇

売れる本とは「自分の本」である。

んなこたぁは、もうイヤってゆーほど、語り継がれておりますなぁ。

今更オイラが述べることは何も無い!!

ってことなんすけど、まぁ、現役の編集者からの切実な涙声を聞いてくれませんかぁ。

大体ね、本てゆー商品はさ、他のテレビとか服とか、家とかと一緒で、お金を出して買うんモノであることには、代わり無いなんだけど、種類の多さは、ちょっと他のモノには無いでしょ?

実は、今日、とある方(元キー局のアナウンサー)との語らいのなかで、テレビというメディアとは、一番個人と遠い存在であると。

テレビは、いつも視界の片隅にあって、何か分かんないけど、やんややんやと盛り上がっている。

それがテレビの世界。

ラジオは、音だけの世界である。その音を聞いて、脳内にひろがる画像は、聞く人それぞれに違う。テレビよりは少しだけ、個人に寄り添っている。

テレビとラジオと比べて、圧倒的にパーソナルな存在なのが本なのだと。

本を読む人の心理ってのは、非常に意外にも、本を読んでいる最中、ずっと読むこと止めるきっかけを探している、そうなのだ。

言われてみれば、確かに!

と、思いませんか?

だって自分の意思で字面を追ってくって、脳にとっては負担がかかる作業。

出来ることなら止めて他の事に取りかかりたい。

だけど、やめられない止まらない。そう思わせる文章が続くことで、読む人にとって、自分の本になる。

少なくとも自分の本にならなきゃ、お金は出せないよなぁ。。







田舎の本屋さんはなぜ潰れないのか?


昔、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』って本がベストセラーになったけど、『田舎の本屋はなぜ潰れないのか?』って不思議に思ったことない??


だってさ、例えば定価1000円(税込み)の本を一冊売るとするわなー。

一体、売った書店さんにはいくらの利益になるか考えたことってある?

1000円の内訳を見ると、大体700円(大手)が、出版社へ、残りの300円が、取り分だと思うじゃん?

そこが、落とし穴。

前に説明した取次ぎさんが、300円の内、200円以上は持っていっちゃう。

だから、本屋さんが一生懸命売っても一冊の儲けなんて100円未満。一冊、500円ぐらいの文庫だとか、コミックなんて、本当に30円とか40円の世界。

だから、お客さんがほとんど居ない地方の小さい書店さんとか、なんで潰れずやっていけてるのか不思議だったわけ。


ところが!!

田舎の本屋さんにも、めっちゃ大きなお買い物をしてくれる凄いお得意様がいたのだ。





それは、その地域の学校。小学校、中学校。

そう、生徒さんの教科書を学校へ販売するのが、町の小さい本屋さん。


毎年、何百冊もお買い上げ頂く。

学校図書なんかもバカにならない量になる。

つまり、チマチマと一人一人のお客さんへ本を売るなんて行為は、もちろん大切なことなんだけど、彼らのメインの収入源じゃない。

まぁ、そりゃ当然だよねぇ。

月に1000円の本を100冊売ったって、1万円の儲けしかないんじゃ、食っていけないわな。。

そんでもって、万引きの被害だって、めっちゃ悲惨なことになってる。

以前、日本に2万軒あった本屋さんが、いまやその半分。

少子化もあって、バンバン潰れてるわけ。

あーあ、哀しいねぇ。でも、これが現実。


『取次ぎ』とゆー無敵な仕組み

大昔、本屋さんは絶対潰れない、そう言われてたんだねぇ。

今思えば、はぁ?! ってな突っ込み入れまくりだけどさ。

本てやつは、唯一堂々と返品が出来るんだよね。書店さんが。

だから、売れない本って思った本は、とっとと見切りを付けて、売れる本だけを置いて置けば、リスクは無い、そう思われていた。

全国津々浦々、隅の隅まで、本を行き渡らせているのが、取次ぎ、ってゆー組織なんだなー。

まぁ反対に、取次ぎってゆー、日本固有の最強の物流システムが、日本中の本屋さんを牛耳ってるって話でもあるんだね。

トーハンとニッパンが、取次ぎ業界では、二大巨頭。

あとは、もうほとんど、どちらかへシュリンクされていってる。

両方とも巨大企業だす。

例えば、あなたが明日から本屋さんをやりたーい!

って、思ったとしましょう。
まぁふつーは思わない。けど、ここは置いといて。

んで、お店に並べる本を仕入れないとダメじゃん?

どんな本を、どこにどう並べる?

それを決めるのは、書店員さんじゃなく、取次ぎさんの意向がむちゃむちゃ反映されちゃうわけ。

書店出店の際には、どっちかの社員さんが大勢で、押し寄せてわっしょいわっしょいって、沢山の本を卸していく。

村上春樹先生の新刊は、出来るだけ沢山置きたい。でも、何冊配本されるのかは、取次ぎの思惑次第。

当然、大手ナショナルチェーンへの配本が最優先。

事前に何冊来るのかは、ほとんど知らされない。

ダンボールにドサッと一式、その日の配本が届く。

中を開けると、絶対売れねーだろ、ってなヤツも混じってる。てゆーか、今は売れる本自体、ほとんどないのが

だからほとんど返本になってる。

この取次ぎ様には、地方の小さい本屋さんは、絶対逆らえないのはこーゆー理由。

日本の出版をおかしくしてるのは、この取次ぎってシステムに結構原因があったりすると思うけど、どーなんだろー。

待ち合わせで、ウッカリ本を読んでたら大変なことに。

かつて2万軒はあった全国の書店さんが、今や半分。

地方の町のちっさい本屋さんなんてさ、その土地で唯一、東京で流行ってモノを感じられる場所だったわけ。

テレビじゃないんだよね。
そこは。

まー、ブックオフさんのせいもあるけど、まだ本を買ってくれるだけ嬉しいの。

だってな、電車で本読んでる奴がいるかって話よ。
見かけた事ある? 最近。

この前なんてな、ウッカリ待ち合わせ場所で読みかけの本を読んでたのよ。

そしたら、やって来た若い子ちゃんが、ポカンとした顔で、えーっ?? なんで本なんて読んでるんですか、頭大丈夫ですか?

ってな勢いで、真剣に眺めてくるわけ。

ちょっと前なら、意外と知的ですね、なんて小道具になってた本が、もはや危ない人扱いされちゃうアイテムになってる!

大丈夫か、日本。つーかオイラほうがあぶねーよ。

もう、崩壊寸前。

毎日毎日、涙腺崩壊寸前。

編集者という不治の病の始まりの始まり。

もうね、毎日毎日、腐る程届くわけ。


作家になりてぇなんて、思い違いを起こす連中数多の、呪いのカタマリ。


一応、文芸ってジャンルに配属されて、毎日がウヒョーなわけ。絵にかいた様な、編集者生活の始まりですよ。


売れてる作家先生には、他社の編集者を如何に出し抜いて仲良しごっこ。


そのためには経費なんてぇ切り放題!
パイセンなんてね、経費が年収超えた、とかふつーに吹かしてるから。
ヌルーい時代だねぇ。


その反動からかなぁ、新人賞に応募されてくる数多の脱糞原稿に、これでもかって、大鉈を下ろしまくって、それでも気が済まない時には、どこぞの新人賞を取って、全然売れない作家の持ち込み原稿を、これでもかって、こき下ろして。


今思うと、そんなに悪くなかったかも知れないのよ。


正直そんなに差、なんてもんはねぇもん。


いや、本当はあるの。あるとは思う。でもね、そんなん簡単に説明出来たら、オイラこんなところで、こんな事書いてねぇから。


でもさ、あん時に、ウッカリ新人賞とか貰って、未だに春樹とか目指して人生棒に降ってる人なんてウヨウヨしてるもんねぇ。


だからさ、バッサリ切ってあげた方が親切だったと思うよぉ。



アンタさぁ、才能無いよ、



なんてぇ、どの面下げて言ってたんだろーねぇ。アハハー。

何故、編集者は全員、勘違い野郎なのか

さて、オイラは駆け引きと根回しの末にようやく掴んだ大手出版社の内定に、これからの順風満帆な人生に、意気揚々と、ルンルン買ってウチに帰っちゃうぐらい調子をぶっこいていたわけ。


なんつーの、社会人デヴーっつーの?


大学までの冴えない人生の巻き返し、そう、リベンジに燃えたんだなぁ。


でもさ、今思えば、不穏な足音は確かに聞こえていたんだよ。


否、皆聞こえないふりをしていたんだ、必死こいてさ。


臭いモノには蓋、これよ。


だってな、当時のフジテレビなんて、そりゃもう元気いっぱいで、特にドラマのプロデューサー様は、エンタメヒエラルキーの頂点に君臨しちゃって。


後に猿回しのボスと結婚した、性格のねじまがった、有名な女史なんぞは、私が日本を動かしている! なんてぇ勘違いを起こして、一回の食費が5万円以下は豚の餌、なんてぇことを口にしても全然不思議じゃねぇ、おかしいと思われねえ、そーゆーおめでたい時代があったのよぉ。


このお江戸にさぁ。


それったってオメェ、まだ15,6年前の話だぜ?


信じらんねぇだろぉ?


あったんだよ、この目でしっかと見てきたんよぉ。


時は正に、20世紀から21世紀へと移り変わろうってゆー、聖飢魔IIから新世紀ヱヴァンゲリヲンへと、確実なパラダイムシフトを起こしていたそんな時よ。


2兆円を超える出社界の花形職業、編集者。


そりゃーテレビ局には負けるけど、いっくら御給金が良くても、クライアントの為に、命張って笑いをとる様な、下品な広告代理店なんかにゃ、ちょっと私には無理無理ーー、なんて気取ってる奴等が、群をなして、突っ込んでいくほっそーい狭き門を、何百人も蹴散らして、やっと手にした、世に本を出すという仕事。


編集者という病?は、ここから始まるのよぉ。


もぉね、勘違い野郎の集合体なわけ。出版社なんて。


タイタニックのごとく、不沈船と言われた2兆円産業がゆっくりと沈み始めたわけ。


でも、本当の地獄はまだまだ先の事。