何故、編集者は全員、勘違い野郎なのか
さて、オイラは駆け引きと根回しの末にようやく掴んだ大手出版社の内定に、これからの順風満帆な人生に、意気揚々と、ルンルン買ってウチに帰っちゃうぐらい調子をぶっこいていたわけ。
なんつーの、社会人デヴーっつーの?
大学までの冴えない人生の巻き返し、そう、リベンジに燃えたんだなぁ。
でもさ、今思えば、不穏な足音は確かに聞こえていたんだよ。
否、皆聞こえないふりをしていたんだ、必死こいてさ。
臭いモノには蓋、これよ。
だってな、当時のフジテレビなんて、そりゃもう元気いっぱいで、特にドラマのプロデューサー様は、エンタメヒエラルキーの頂点に君臨しちゃって。
後に猿回しのボスと結婚した、性格のねじまがった、有名な女史なんぞは、私が日本を動かしている! なんてぇ勘違いを起こして、一回の食費が5万円以下は豚の餌、なんてぇことを口にしても全然不思議じゃねぇ、おかしいと思われねえ、そーゆーおめでたい時代があったのよぉ。
このお江戸にさぁ。
それったってオメェ、まだ15,6年前の話だぜ?
信じらんねぇだろぉ?
あったんだよ、この目でしっかと見てきたんよぉ。
時は正に、20世紀から21世紀へと移り変わろうってゆー、聖飢魔IIから新世紀ヱヴァンゲリヲンへと、確実なパラダイムシフトを起こしていたそんな時よ。
2兆円を超える出社界の花形職業、編集者。
そりゃーテレビ局には負けるけど、いっくら御給金が良くても、クライアントの為に、命張って笑いをとる様な、下品な広告代理店なんかにゃ、ちょっと私には無理無理ーー、なんて気取ってる奴等が、群をなして、突っ込んでいくほっそーい狭き門を、何百人も蹴散らして、やっと手にした、世に本を出すという仕事。
編集者という病?は、ここから始まるのよぉ。
もぉね、勘違い野郎の集合体なわけ。出版社なんて。
タイタニックのごとく、不沈船と言われた2兆円産業がゆっくりと沈み始めたわけ。
でも、本当の地獄はまだまだ先の事。